句の後ろは、句会での題詠となります。

訓練の担架が軽いのを選び      運ぶ

手が触れて昔はその先があった   引き金

骨太を知ってる妻にバラされず    頑丈

痩せてみてどうなる妻のジャズダンス 鍛錬

妻の手を三日潤す試供品       見本

要らんとこばっかりに妻肉が付き めきめき

美しい爪だ引っ掻かれてみたい    魅力

軽い脳背骨のためにいいらしい    結果

早起きの前の早寝が出来ません    順序

指切りの頃細かった妻の指     ちぎる

すぐ首を賭けて渡したことがない  逃げる

待たすからこんな冷たい手になった 凍える

肘鉄に慣れっこ僕のあばら骨     肋骨

ぶつわよと言う拳骨にぶたれたい   拳骨

貫禄の半分ほどは皮下脂肪      堂々

ホステスの褒めた胸毛を妻貶し    胸毛

鋸で切れば貴方も担げます      担ぐ

体型の崩れは俺のせいじゃない    緩む

トクホンの匂いが強い肩を抱き     肌

肩抱きにきたら抓ってあげましょう 触れる

シリコンに触ってすみませんでした 手探り

鳥肌はあんたが触るからなのよ     肌

腕組んでいるだけ脳は休んでる    組む

心臓が真心ならば俺も持ち      心臓

孝行をされ弱くなる足と腰    ふらふら

指の渦までが素直でない私      指紋

ここからは坂だと膝に言い聞かせ 切り替え

痛かった上高かった昇り龍      昇る

膝で泣く女を許すことにする   言いなり

荒れ性の妻は踵で秋を知り       秋

ハンカチへどうせはみ出す尻を乗せ  出る

鴨居まで届く背をして甘ったれ  すくすく

啄木と同じ想いで手を眺め     眺める

そう堅くならずに膝へ乗りなさい   緊張

私もとでんぐり返しやってみせ    若い