句の後ろは、句会での題詠となります。

写真では俺もこんなにおじいさん  見直す

鼻筋はみんな立派なモアイ像      鼻

あんな顔してて女に困らない     快調

猿に似ちゃいません貴方野性的    世辞

付き合ってみると顔ほど怖くない 付き合う

脳味噌の軽さムチウチには成らず なるほど

喉までで止めとく苦労かけたなあ    口

妻の舌見てるとあんた聞いてんの   会話

空っぽでない証拠には頭痛する    充実

脳味噌を通さず動く妻の舌      軽率

ほっぺたに妻のビンタがまだ赤い   彩る

妻の顔ノンレムまでは追ってこず    夢

泣き虫になったな苦労してるんだ  泣き虫

素顔ではとっても人に会えません   磨く

熟睡の鼻に手のひら翳される    念入り

どちらかと言えば美人が好みです   自由

両親に責任がある俺の顔      責任

この皺もあんたが苦労させたから  責任

義務感が少し出てきた朝のキス    癖

とりあえず謝っておく妻の眉   前触れ

鼻だけをヨン様にしてどうするの  直す

あんたには言われたくない妻の顔 お節介

あの顔で今も恋愛至上主義     理想

初めてのキス口元の疣を避け   目障り

女房がかぶれないから俺も染め   試す

凹凸が妻の身体と顔にない     凹凸

朝刊で前頭葉の隙を埋め     前向き

いつだって妻の舌の根湿ってる  付け根

伸び上がる最後列は口を開け   精一杯

挨拶が短くて済む頬の傷      短い

汗拭いていると働き者に見え    拭く

妻を騙すときも唇が乾き      苦手

俺だけがそう思ってた共白髪    誤算

ユーモアに富むお顔だと褒められる 微妙

どう磨いても女にはもてません   磨く