句の後ろは、句会での題詠となります。

押入れにみな投げ込んでさあどうぞ  来客

震度四以来うちの戸すっと開き     戸

ドアの奴軋んで妻に言いつける     音

二階には娘を盗った奴が住み  テリトリー

分譲地坂が平気な頃買った       坂

明け渡す茶の間妻にもお客さん     城

ひと間っていいないつでも君が見え  快適

間に合っていますとインターフォン非情 情

ふるさとを出てきた行李捨てられず  記念

姑に急な外階段を付け        露骨

急いでたらしい階段滑り落ち   一足飛び

カーテンが閉まっていたら来ないでね 拒否

先妻の写真天袋に仕舞い    目の上の瘤

このボタン押すとお尻が洗えます   便利

戸締りのついでのように見送られ  締める

百坪もありそう略図での我が家   目立つ

この家にもう箸がある許婚       箸

怖がりの夫に脚立抑えさせ      乗る

小皿をと言うとカーリングで寄越し  器用

へそくりが冷え切っている冷蔵庫  冷蔵庫

やっと探した筆ペンが乾いてる    乾く

金槌を寄越せぶきっちょなんだから  下手

乱雑な机B4ほど空き地        机

食卓を蹴倒してみる妻の留守     活気

掃除機は二台目妻はまだ動き     動く

寛げと出す座布団の薄っぺら    お粗末

鋸も短気な妻もうちにある      危険

お皿ならもういい泣くの止めなさい   皿

紙の皿俺のお通夜にゃ止してくれ   軽い

間違って付けたボンドがもう乾き おやおや

建て増しの大工俎板削らされ     調法

安くって音の大きな皿を投げ     効果

見せ合って同じ女の鍵と知り   ぴったり

食器棚出番のこない皿も積み     沢山 

うちよりもリッチ磯野家庭を持ち  マンガ